災害ごみ 処理済み1割

2011年6月30日

周辺市町村施設提供も

津波で発生した災害ごみ。当時は市民が歩道に集めた(3月13日、八戸市内で)

 東日本大震災の津波によって県南地域で発生したがれきなどの「災害ごみ」。焼却や埋め立て処分されたのは、県の推定量のうち約1割にとどまっていることが県の調査でわかった。被災地域を管轄する市町村の廃棄物施設だけでは処理が追いつかないためで、大量の災害ごみは仮置き場に積まれたまま。県は、被害の少なかった市町村に処理施設を貸してほしいと協力を求めている。

 県によると、災害ごみの量は八戸市、三沢市、おいらせ町、階上町、東通村で約16万1000トンが発生したと推定される。この量は、県内で1年間に排出される一般廃棄物の約3割。市街地に積まれた家財などの大型ごみや破損家屋だけで、事業所の災害ごみは推定量に含まれておらず、さらに増える見込みだ。

 一方、すでに処理された量は推定の約1割にあたる約1万5000トン(17日現在)にとどまっている。市町村の廃棄物処理施設だけでは処理が思うように進まないためだ。

 このため、被災した各市町村は、県有地や民間の土地などを借りて計13か所を仮置き場とし、急場をしのいでいる。災害ごみの全推定量のうち計7万1000トンが仮置き場で保管されている。ヘドロが固まった堆積物も多く、市町村では飛散を防ぐためシートをかぶせたり、乾燥すると風で飛びやすくなるため散水したりしている。

 こうした状況下で、県は民間の廃棄物処理業者を被災地域の市町村に紹介。5月から一部業者が処理を請け負っている。大震災の被害が少なかった市町村に処理を依頼したところ、五所川原市や黒石市などから計8か所の埋め立て地、焼却施設を利用してほしいとする回答があった。

 八戸市は当初、今年度中の処理を見込んでいたが、市内の災害ごみは市の1年間の一般廃棄物の2年分以上に上ることが判明。市清掃事務所の担当者は、他の自治体の協力について、「経費や運送時間も考えると出来る限り市内で処理したいが、どうしても処理できない状況になればお願いしたい」と話している。

 県は4月上旬に岩手県、宮城県、福島県のごみ処理について、国から協力依頼を受けているが、本県の災害ごみの処理に追われており、回答を保留している県環境政策課は「全県的な協力を得て早く処理を進めて、他県分についても協力していきたい」としている。

(2011年6月25日 読売新聞)

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廃棄物コンシェルジュ
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